D i a r y

YAMASANS Diary
 
「日記」というほどでもないけれど、思いついたことがあったら書きます。
 
まぁ、私の独り言を聞いてやってください。
 
 

2004/04/04

  ESCAPE FROM タチコマの家出 映画監督の夢

   〜 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX

ジャパニメーション(Japanimation:日本製アニメーション)という“新語”の市民権を確実なものとすることに貢献したであろう、劇場版『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』。そのTVシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』がCSでの放映を経て、今年の初めから日テレ系で深夜に放送されており、現在13話まで放送終了(野球のお陰で13話録り損ねた。“タチコマ”が主役だったのにぃ…これだから、野球なんか大嫌いだぁ…(T_T))。で、思い立って12話までを一気に見てしまった。身体に悪いので、よい子は真似しないでね(^_^;)b

やはり“大人向けのアニメ”。さすがは“攻殻機動隊”といったところ。設定、ストーリー、画、セリフなどしっかりしており、なかなか見応えがある。伏線を張り巡らし、シリアスなストーリー展開。主役である“公安9課”のメンバーと犯人との派手なバトルが展開されたかと思えば、人間の悲哀といったものも描き出し、ホロッとさせる場面も(T_T) また“タチコマ”と呼ばれる、コミカルで小型の思考戦車(AI搭載、四つ脚のロードランナー?)も登場。なかなか笑わせてもくれる(^-^)

そんな『攻殻機動隊S.A.C.』の12話までの中で、心に留まったシーンの中から、ひとつ書き留めておこうと思う。

自らの脳を“電脳”化し、映画監督としての夢と共に箱に収めてしまったひとりの男がいた。そしてその箱に“ダイブ”(アクセス)した人間を、箱の中で自らが制作した映画の魅力だけで、その箱から現実世界へ帰れなくしてしまった男。まぁお話を実際に見てみないと、どんな状況なのかはなかなか解りづらいと思うので、説明はこの辺で…(^^ゞ 興味のある方はDVDも出ているようですので、そちらをどうぞ。

 

老 人  :(映画を見終わった素子に)「どうだった?」

草薙素子:「確かにいい映画と言えなくもないわね。でも、どんな娯楽も基本的には一過性のものだし、またそうあるべきだわ。始まりも終わりもなく、ただ観客を魅了したまま手放そうとしない映画なんて、それがどんなに素晴らしく思えたとしても、害にしかならないわ。」

老 人  :「ほう、手厳しいのお。我々観客には戻るべき現実があるとでも言いたいのかね?」

草薙素子:「そうよ。」

老 人  :「ここの観客の中には現実に戻った途端に、不幸が待ち受けている者もいる。そういう連中の夢を取り上げ、あんたは責任を負えるのかね?」

草薙素子:「負えないわ。でも夢は現実の中で闘ってこそ意味がある。他人の夢に自分を投影しているだけでは死んだも同然だ。」

老 人  :「リアリストだな。」

草薙素子:「現実逃避をロマンチストと呼ぶならね。」

老 人  :「ふふ、強い娘よの…いつかあんたの信じる現実が造れたら呼んでくれ。その時わしらはこの映画館を出て行こう…」

 

なかなか意味深な、メッセージ性のあるシーンだと思った。この『STAND ALONE COMPLEX』のキャッチ・コピーは「ネットから離脱せよ」であり、「ネットやコンピュータやアニメにばかり夢中になるなよ〜」という制作者サイドのメッセージかなぁ…とも思ったのだが。もっと極端なことを言えば「酒やドラッグに溺れるな」とか。深読みしすぎかな?(^^ゞ

「観る側を魅了する作品を作っておいて「アニメに夢中になるな」もないだろう?」と皮肉っぽく思っていたら、その昔朝日新聞紙上で「『機動戦士ガンダム(いわゆるファーストガンダム)』は戦争を美化している」、「いや、戦争の悲惨さも描いているし、闘いは憎しみしか生み出さないことも語っている」といった大激論が交わされたことを何となく思い出した。今ならこういう議論はネット上の掲示板でやるんだろう。そう言えば、『S.A.C.』の中でも仮装スタジオにネットを介して集まった人々が、“朝まで生テレビ”のように激論を交わすシーンがあったっけ(^_^;)

ところで、「ネット社会が生み出す仮想現実」とか「電脳にダイブして帰ってこない」とか…『マトリックス』や『ハーシュレルム』でも同じ設定やシーンを見たが、『攻殻機動隊』にヒントを得て(触発されて?)作ったんだっけ?

 

● 劇場版 GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊:1995年

士郎正宗原作のコミック『攻殻機動隊1』が発売されたのは、1991年10月5日

● マトリックス(THE MATRIX):1999年3月(アメリカ)

言わずと知れたキアヌ・リーブス主演の映画。頭にプラグを差しコンピュータ、ネットなどと脳を直結するシーンなど、『攻殻機動隊』そっくり。

● ハーシュレルム(Harsh Realm):1999年10月〜2000年5月(アメリカ:TVシリーズ)

THE X-FILESのChris Carter制作のTVシリーズ。米陸軍(だったか?)のバーチャル訓練用プログラムにダイブしたまま帰って来なくなった兵士達が、仮想現実世界の中で繰り広げるお話。現実世界との巧みなリンクも面白かった。

『マトリックス』もそうだけど、“劇中劇?(映画の中の、さらに仮想現実)”を見ていることをついつい忘れてしまう(^^ゞ

 

実は私(いい歳をして(^_^;))、『機動警察パトレイバー』も結構好きで、『攻殻機動隊』との共通点を探してみたら、「優秀な科学者やネット開発者が、自分の知識を悪用してネット社会にテロを仕掛けてくる」とか、「便利さを提供してくれて当たり前だと思っているインフラが、実は大変脆弱なものだということを知らしめる設定」とか、「政府や警察上層部の“バカ共”に遠慮なくズバズバものを言い、独自に行動する主人公達の真っ直ぐなところ」とか、「“ドンパチ”ばかりではない、人の心の中を描き出すような静かなストーリー展開」もあったりとか、そんなところに魅力を感じているのかもしれない。『パトレイバー(OVA)』の「二人の軽井沢」、「雪のロンド」なんかも好きだなぁ 。“切ない系”がやっぱ好きかも…(^^ゞ

ある人に「「まっ白/小田和正」の歌い出し(Aメロ)の「哀しいほどの想いがつのれば…」が気に入った」とメールを打ったら、「切ないのは卒業しなきゃね」なーんて言われてしまったんだっけか(^_^;;

最後に。私“二次コン”ではないですが、草薙素子(田中敦子:攻殻機動隊)、南雲しのぶ(榊原良子:パトレイバー)、セイラ・マス(井上揺:ガンダム)といった、落ち着いた喋りの、知的な大人の女性に惹かれますね〜(^^ゞ 特に榊原良子さんの声は最高に素敵です! ハマーン・カーン(Ζガンダム)やナナイ・ミゲル(逆襲のシャア)もそうでした。『イノセンス』にも出演されているようなので、劇場行ってみるかぁ(^^ゞ

それに『イノセンス』の主題歌『Follow Me/伊藤君子』は渋い! 原曲はあの有名なクラシックの名曲、ロドリーゴ作曲 アランフェス協奏曲 第2楽章。俗称「恋のアランフェス」。私も好きな1曲。久しぶりにCDを引っ張り出し、今聴きながらこれを打っている。ちなみに私のCDはPHILIPSの「ぺぺ・ロメロ(ギター)、指揮:サー・ネビル・マリナー、アカデミー室内管弦楽団」のもの。 マリナーが振ったものでは、『チャイコフスキー/組曲:くるみ割り人形』もお気に入り(^_^)b

 

2004/04/09

  3邦人、人質に

今朝YAHOO!のトップページを見て、イラクで恐れていた事態が(予期せぬ事態というのが正しいかな?)発生していることを知った。ヨルダンから陸路(現在他に入国手段がない)イラクに入り、バグダッドに向かっていた日本人3人がテロリストに拘束されてしまった。

テロリスト(一応こう呼ぼうか)の要求は「自衛隊を撤退させる」こと。3日以内に応じなければ、彼ら3人を“焼く”と言っている。この“焼く”という意味についてだが…彼らイスラムでは死者は土葬にするのだそうだ(そう言えばキリスト教も土葬かな?アメリカ映画では棺桶をそのまま埋葬するシーンがよく出てくる)。「焼いてしまう(今回“生きたまま”という恐ろしいことを言っている)」ということは、死者に対する最大限の“冒涜(ぼうとく)”なのだそうだ。このことからも、彼らの気持ちが読み取れるのだという。ところでテロリストは本当に「イラクから自衛隊を追い出す」ことが目的なのだろうか。彼ら3人を人質に、日本政府と裏取引して大金をせしめることが目的なのでは?まさかね?

郡山総一郎さんはフリーのカメラマン。高遠菜穂子さんは2000年からインド、タイなどでボランティア活動を開始。昨年4月からはイラクで緊急支援活動を始め、特にイラクの子供たちに熱心に救援を行っていたようだ。今井紀明さんは高校を卒業したばかりの18歳。「劣化ウラン弾」の危険を訴えるべく、イラクの現状を調査しに行ったようだ。

またもや「イラクの人々のために…」という高い志を持ってがんばっている人が、心ない人々にその活動を妨害され、命の危険にさえさらされることになってしまった。

日本政府の対応は?小泉首相はいち早く「自衛隊は撤退しない」と宣言した。まぁあの人らしい「後先考えない発言」というか…(-.-;) あるコメンテーターが「テロリストは「3日間」という時間を与えているのだから、その間に、こういう時こそ「のらりくらりとした、欧米のメディアが翻訳に窮するような」日本独自のやり方をすべきだ」と言っていた。大平首相や福田首相なら「撤退という言葉が適切かどうかということは、非常に難しい問題でありますが…」などと言って時間稼ぎをするだろうと。「撤退しない」と明確に突っぱねたことで、人質の生命がより早く、危険になる可能性もあると。

福田官房長官も「彼ら3人も、自衛隊も「人道復興支援」を行っているのであって、このような目に遭う理由も、撤退する理由もない」と言っていた。確かにそのとおりだと思うのだが、彼らイラクの過激派には別の考えがあるらしい。

「アメリカは結局イラクをどうしたいのか?」ということは、ずっと思っていた。そしてまた「イラクの過激派たちは自分たちの国を結局どうしたいのか?」とも思っていた。アメリカは「大量破壊兵器がある」という“大嘘”を大義名分にイラクに侵攻した。今もって大量破壊兵器は出てこない。当のアメリカ・イギリスでさえ「大量破壊兵器などなかった。大統領はでっちあげたんだ」と言い出しているのに、小泉首相だけは「見つからないからといって、ないとは言えない」などと未だに言っている。

アメリカはフセインを倒せばそれで良かったのではないか?それでパパ・ブッシュの“かたき?”は取れたのだし、そこで終わりにしておけばこんな酷い状況にならなかったのでは?大規模戦闘終結直後(ちょうど1年前)には、「米軍の空爆で多くの死者が出た。でもアメリカは来てくれた。フセインを追い出してくれた。今までは口ばかりで誰も来てくれなかったけれど、アメリカは来てくれたんだ」というイラク市民も少なからずいたのに…

日本政府は「人質の救出に全力をあげる」と言っているが、具体的に何をするのだろう。何ができるのだろう。トム・クランシーの小説のように、ジャックやクラークが乗り込んで行って、人質を格好良く救出するわけにはいかないのだよ(-.-;)b ダッカ事件のトラウマがあるから、今回は「自衛隊を撤退させる」とか「大金を渡して解決する」って訳にはいかないだろうし、海外で活動できる特殊部隊を持たない日本としては、やはりアメリカにお願いする?アメリカがそこまでしてくれるだろうか?

3人は見殺しにされるのか?じっくり聞く時間はなかったが、ラジオの論調は「彼らは、自分たちの意志でリスクを承知の上で行っている。今回のようなことは覚悟の上だ」という方向だったように思う。もちろん“見殺し”などという言葉は使わない(使えない)が、「3人のために、自衛隊を撤退させるなどということはできない」。確かにそうだろう。

3人の家族が会見を行った。「見捨てないで欲しい」、「自衛隊を撤退させるという選択肢も考えて欲しい」…悲痛な思いが伝わってきた。私だって自分の家族や友人が人質に取られたら、同じことを思うだろう。

ここでフト思った。誤解を恐れずにあえて言おうと思うのだが…しかし意地悪な見方をすれば、自分の意志で行ったのに「人質に取られたので自衛隊を撤退させて」とは、わがままなのではないか?日本の国際社会におけるメンツを掛けて自衛隊派遣を決めたのだから(賛成かどうか、良いやり方かどうかは、また別の問題)、それを“撤退させて”はないだろう…きっと与党の議員達もカメラが回っていないところでは、「余計なことをしてくれたものだ」と言っているに違いない。でもこのことで「年金問題」から国民の目が逸れるんじゃないのか!?

ここまで考えていたら、さらに心配なことがひとつ。彼ら人質の家族の元に、「嫌がらせがありはしないか?」ということを考えてしまった。「ろくな準備もせずに行くからこういうことになる。自分の身の安全も守れないなら余計なことはするな」と(この私のホームページは多くても1日に5〜10アクセス程度なので、こう書いたことで、そうした輩にヒントを与えてしまうことにはならないはず)。

オリンピック女子マラソン代表選考結果が出て、がんばって実力で代表権を勝ち取った土佐礼子選手に対して、かなり嫌がらせがあったという。陸連が批判されるのは仕方ないとして、何故選手に矛先が向くのか?まったく理解できない。今の日本人って、この程度のレベルに落ちぶれてしまったのかもしれない。同じ輩が今度は3人の家族に向かわなければよいのだが…

いずれにしても最悪の事態だけは、なんとか回避してもらいたい。テロリスト側の出方次第なのだろうか?ラジオでも「解決策などない」と言っていた。本来、イスラム教でもキリスト教でも、殺人は最悪の罪のはずである。彼らが思いとどまってくれることを願う(そうは言ってもメチャクチャにしたのは、キリスト教徒(米英)なのだが…(-.-;))。

ところでイラク戦争開戦前、高い志を持って“人間の盾”としてバグダッドに入っていった日本人が何人もいた。彼らはその後どうなったのだろう。少なくとも「死亡した」とは聞いていない。「無事帰国して、見聞きしたことを伝えて欲しい」とラジオなどでもよく言っていたのだが…マスコミが忘れてしまったのだろうか?それとも私が彼らに関する報道を見落としてしまったのだろうか??

 

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