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SUBARU New LEGACY TOURING WAGON 2.0R 試乗


LEGACY TOURING WAGON 2.0R

2003/05/31 午前、天気 雨、路面 ウエット、試乗コース 奥多摩街道〜新奥多摩街道

 

去る5/23に発表になった、LEGACY TOURING WAGON。「東京・全日空ホテル」で開催された新車発表会は、大盛況のうちに終了したとのこと。22:00の終了まで客足は途絶えなかったとか。この発表会で1,787件の予約を受け付けたそうで、そんな話を聞くと益々「実車を見たい・乗りたい」という気持ちも高まるもの。発表前に行われた SUBARU 社内での試乗会で竹中・富士重工社長は、各ディーラーの社長に対し「10m乗って違いが分からないなら、社長を辞めた方が良い…」と言ったそうで、このことからも NEW LEGACY に対する SUBARU の自信がうかがえるというもの。

この時季としては38年ぶりの早い上陸となる台風4号の接近で、東京も朝から雨。しかし「『感動性能』にこだわった NEW LEGACY の試乗に相応しい天候かもしれない」という思いもあり、餌(「LEGACY 誕生フェアDM」のミニカーとビデオ)にも釣られ、出掛けてきました。

試乗車は LEGACY TOURING WAGON 2.0R (4AT)で、色はリーガルブルー・パール(紺)。入りたての試乗車で「今回のLEGACYはGT系はもちろんのこと、NAエンジンもかなりいい」という私の担当セールスが、2.0Rをチョイスしてくれた。

試乗の時は乗り込むのも大変なくらいの雨になってしまい、時間雨量にしたら10〜15mmくらいは降っていたのではないだろうか。

エンジンを始動し、ゲート式のセレクターレバーをDレンジにセレクトし、スタート。私はゲート式のATは初めてだと思う。直線的にセレクトするタイプのものよりもチョットMTっぽい感じもするし、使い慣れるといいかも しれないという印象。

今回5ナンバー枠を超えるボディとなったLEGACY(全幅1730mm)。しかし特にその幅を意識することはなく、DAIHATSU CHARADE、ISUZU GEMINI と小さい車を乗り継ぎ、現在 IMPREZA SPORTS WAGON に乗る私でも、決してストレスとはならないサイズ。ただ大きくしたのではない、開発陣の考える「LEGACYに必要なサイズ」がこれなのだろう。普通「大きくなれば重くなる」というのが“物(物体)”の常識のはずだが、この“拡幅”により設計の自由度が増したことで、結果的に100kgの軽量化を実現している。先代は1,500kgを超えていたらしいが、試乗した2.0Rは1,380kg。先代に乗ったことがないので比べようがないのだが、この軽量化が走りに効いてくることは言うまでもないだろう。

2.0Rのエンジンは、2000cc DOHC AVCS(可変バルブタイミング) の N/A で、試乗したE-4ATモデルでは、180PS / 20kg・m。緩い上り坂の交差点での右折待ちからの発進で、ほとんどアクセルを踏み込む必要もなく「スーッ」と曲がっていったのは気持ちよかった。対向車の接近で、一瞬発進を躊躇したのだが「あぁ、こんなに楽に出られるんだ」という印象であった。1500cc の IMPREZA と比べては、LEGACY にも IMPREZA にも悪いのだが、IMPREZA (1.5 5MT 4WD) ではもう少ししっかりと踏み込まなければならない。この発進の気持ちよさは、低速トルクの太いエンジン、軽量ボディならではだろう。

試乗車のミッションは「スポーツシフトE-4AT」で、通常走行は当然Dレンジのままでいいのだが、セレクターレバーをドライバー側に倒すと、+/−で任意のギヤにシフトしてマニュアル・ライクに走りを愉しめる。信号停止の際にこの機能を使い、シフトダウンしてみた。低速では1速まで落ちるし、しっかりとしたエンジンブレーキが掛かり、マニュアル・ユーザーの私でも愉しかった。

今日はかなりの雨。しかし車内は静か。ロードノイズも聞こえず走りは滑らか(タイヤは215/45R17)。聞こえるのは、アクセルを“グッ”と踏み込んだ時に聞こえてくる滑らかで軽快な“NEW BOXER SOUND”と、激しい雨がフロントウインドウに当たる音だけ。IMPREZA もしっかり造られていて、車格から受ける印象よりもずっと静かな車だが、LEGACYはさらに静か。言うまでもないが、駆動系のノイズが車内に入り込むなどという不始末はまったくない。SUBARU Symmetrical AWD だから、駆動系のノイズ・レベルそのものが、他社の競合車種よりも小さいであろう。

実は私 LEGACY のオーディオシステムも気になり、「AUDIO CHECK CD」でフュージョン、ジャズ、ボーカル、クラシックなどを聴きながら試乗したのだが、車内の静粛性により、あまり音量を上げなくても音の細部まで聞こえたことに感動した。助手席の担当セールスによれば、先代はもう少しうるさかったとのことだ。ほぼすべての部品の再設計により、静粛性の点でも LEGACY が磨かれたことが良くわかった。

今回のモデルでは着座点を5mm下げたとのこと。たかが(?)5mmであるし先代に乗っていないので比べようがないのだが、着座点が高く小振りな IMPREZA と比べても視界は広い。ドライバーズカーとしての「気持ちよさ」、「愉しさ」を追求した車ということで、スポーツカーのように低く座らせ、もう少し「西洋のバスタブに“どっぷり”と浸かったような…」感じがあるのかと思っていた。しかし、前方はこのサイズの車としてはボンネットが気にならず、これは FLAT FOUR だからこそかもしれないし、ウォッシャー液のノズルがないボンネットはやはり気持ちのいいものだった。また横方向もドアの上部が視界に邪魔になる事もない。フロントガラスがかなり“寝ている”ことでガラスによる前方からの圧迫感もない。ちなみに私の身長は174cmである。

5/18に一足お先に“座らせて”いただいた時には気付かなかったのだが、ルームミラーとルーフの隙間からの陽射しをさえぎるためだろう、フロントガラス上端中央部はメッシュ状にペイント(?)されていた。IMPREZA では小さなバイザーが付いているのだが、直接フロントガラスに目隠しをする方が効率的かつ確実であろう。この点もアピールできるのでは?それからドアミラー鏡面がとても近い印象があった。アイポイントからAピラー付け根までが近いとは思えないので、大きな鏡面のせいだろう。個人的には鏡面は大きい方が良いと思っている。日産プリメーラなどのように、外側上部をそぎ落としたような物は嫌い。あの部分の視界は不必要と考えるのだろうが、視界は広い方が良い。不必要な情報なら、ドライバーが捨てればいいのだから。

よく考えられていると思ったのは、メーターパネル内に「スモールランプ点灯中」、「フォグランプ点灯中」を示すインジケータが点灯すること。昼間でも今日のような雨の時はスモールやフォグを点灯することもあり、従来スイッチ位置を見ないと点灯の確認が難しかった。使い勝手を考えた開発陣のアイデアだろう。私はうれしい装備だと思った。他社にもあるのだろうか?そしてフォグスイッチといえば、例えば私の IMPREZA の場合、右手を前方やや下向きに伸ばした位置に付いているのだが、New LEGACY ではライト(スモール、ヘッド)スイッチと一緒にウインカーのコラムバーに付いている。これは実に使いやすかった。

“褒めるべき点”が多すぎる New LEGACY なのだが、最後にシートについて挙げておきたい。乗り始めて少しの間まったく意識しなかったのだが、お尻の下と腰(背中下半分)のサポートがしっかりしていて、それもただ“堅い”のではなくドライバーの身体をしっかり“受け止めて”くれる感じ。そして IMPREZA のシートでどうしても気になっている“左太股”部分も、LEGACY のシートは何のストレスもなく柔らかく支えてくれる。シートだけでも載せ換えたいくらいである。

今日は時間の関係で短めの試乗となったが、機会があればもう一度 2.0R に乗ってみたい。そして…次は GT もしくは GT spec.B に!といい気になっている やまさんなのでした(^^ゞ

NEW LEGACY は 先代同様 GT系が人気のようで、現在GT系で80%の受注を取っているとのこと。New IMPREZA の時にも感じたことだが、不況とはいえ、進化の度合いが目に見え、なおかつ“いいもの”は、高くても売れるのだなぁと、今回も感心している私である。

New LEGACY、実車を見た時点で「買いだ!」と思ったが、今日、短い試乗であったが、その気持ちはさらに強くなった。この車は売れないはずがない!例えば「えーっ、SUBARU? TOYOTAじゃなきゃ、買わなーい」という人も多くいるのだろうが、そこを崩していければきっと“バカ売れ”するに違いない。

(2003.05.31記)

 

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