T E S T  D R I V E

 

SUBARU New LEGACY B4 3.0R 試乗


LEGACY B4 3.0R

2003/09/15 午後、天気 晴れ、路面 ドライ、試乗コース 国営昭和記念公園周辺

 

「今年の夏は9月!」ということで、残暑真っ盛りの9/13,14,15、NEW LEGACY 3.0R デビューフェアが行われた。このところ忙しいので「行くか、行くまいか…」迷ったのだが、担当セールスからの“お誘いメール”も入ったことだし、餌(ビデオとキーホルダー)にも釣られて行ってきた。

店長じきじきに(たまたま?(^o^))コーヒーを持ってきて下さり、ちょうどその時「今日は試乗はいいですよ。ま〜た、レポート書かかなきゃだから…(^_^;)」と話していたが、セールスの「まぁ、そう言わずに…レポートも期待してますよ(^_^)」の言葉でB4 3.0Rに乗せられてしまった(^^ゞ

 

ここで今日は、先に結論を。前回、B4 2.0i を試乗して「2.0iで十分でしょ!と言い切ってしまいましょう」とまとめた。が、しかし… B4 3.0R を試乗して、気が変わった。

LEGACY の BEST CHOICE は 3.0R + McIntosh Sound System です!!

これは私だけの感想ではない。既に 2.0GT や 2.0GT spec.B を購入した顧客から「何で 3.0R が出るまで待たせてくれなかったの!」という声も聞かれるとか。ただし…私には高嶺(高値?)の花だが…(-.-;)

 

「では、空いている今のうちに…」と真新しい LEGACY B4 3.0R の試乗車に案内された。 塗装色はアークティックホワイト・パール(白)、なかなか美しい色です。

デザイン上の2.0系との違いは、ヘッドライト(カバー内側)。2.0系ではつや消し黒となっていた部分が、3.0Rではすべてクロムメッキ(?)となっている。2.0系では正に“鷹の目”といった感があったが、3.0Rは同じ猛禽でも 、私には“フクロウの目”に見える。写真によっては、少しだけ愛嬌があるように見えなくもない!? グリルは2.0GT系と同じ、大きく開口したタイプ。バンパーは3.0R専用デザイン。バンパーに注目すれば、2.0系と3.0Rは見分けられる。その他サイド スカートにクロームモールが付いている点などが異なる。

試乗車の内装はアイボリーレザーセレクション(メーカー装着オプション)。明るくきれいなベージュ色で、室内がとても明るく軽快な印象で、これはこれでなかなかいいものだと思った。センターパネル・サイドや、シフトノブ・サイドはメープル調の部材が使われ、これも落ち着いた色で気に入った。標準の内装(オフブラック)を選んだ場合、メープル調の部分はメタル調の部材となる。

本革シートは「蒸れる」とよく言われるらしいが、LEGACY のシートには小さな孔がビッシリと開けられ「蒸れ」に対する対策・質感も良好とのこと。 また冬場「本革は冷える」と言われるが、この点も今どきの高級車。前席には左右独立のシートヒーターが付いていて、心配は要らない。シートのアジャストは電動8WAYで、微調整が利く分、理想のドライビングポジションが得られる。また、ランバーサポートが腰をしっかりと支えてくれるので、長時間のドライブも腰痛持ちの人も、より快適に運転を愉しめそうだ。LEGACYにしても、IMPREZAにしても、長距離ドライブが愉しい車であることは間違いないだろう。やはり低重心AWDのお陰? ステアリングホイールは B4 3.0R も小径タイプのMOMO3本スポーク。

エンジンは新開発の水平対向6気筒 DOHC 3000cc (EZ30)。可変バルブタイミング、可変バルブリフト採用。そしてミッションは新開発のスポーツシフトE-5AT。これらと1460kgの車体との組み合わせにより、2.0iに続きU-LEV(★★★)の認定を取得している。3000cc 250ps/31.0kg・m という高出力エンジンでありながら、11.6km/ の燃料消費率を実現している。この値は競合車種と同等か、LEGACY が AWDであることを考えれば、それ以上の良い燃費を叩きだしたと言える。LEGACY の開発陣は「お客様は2WDの競合車種と燃費を比べるので、4WDでもそれに負けない燃費を実現しなければならない」 と語っていたが、その言葉どおりの商品を開発したようだ。「SUBARUは、水平対向は燃費が悪い」とはもはや言えなくなった。

エンジンを始動、ゲート式のセレクターレバーをDレンジにシフト(N←→Dの操作時、車体後部が“ヒョコヒョコ”上下動するのが感じられた)。ブレーキから足を離すと…B4はかなりのスピードで動き始めた。強力なクリープである。豊かなトルクを発生するエンジンの力を、発進の時点で既に感じた。エンジン特性グラフによれば、アイドリングで24kg・m程度のトルクを発生しているわけで、運転が楽な“愉しい”エンジンであろうという期待も高まる。

車道への発進待ちの際、「まるでミッドシップに乗っているようだ」と思った。というのも、LEGACY 3.0R はエンジンの理想バランスといわれる6気筒を搭載し、振動が感じられない。その上、耳を澄ましても、静かな車内に漏れ聞こえてくるのはチューニングされた排気音だけ。というわけで、自分の背後から聞こえる排気音で「ミッドシップ?」なーんて、冗談半分に思ったというわけだ。

走り出すと、当然のことながら何のストレスもなく、気持ちのよい加速を味わえる。しかもアクセルペダルには、十分な余裕を残して。“理論的に振動が発生しない6気筒”ということで、「今日は思い切って回してみてください」と、セールスに言われていた。そこで広い直線に出たところで、アクセルをグッと踏み込み…アッと言う間に80km/h(それ以上は止めておいた、白バイも多かったし…(^_^;))。回転数の上昇と共に、確かに音はそれなりに大きくなっていくのだが、振動が出ない。何とも滑らかなエンジン…80km/hで4000rpm程度は回っていただろうか(3速か、4速と思われる(未確認))。普段 IMPREZA で「エンジンが車重に負けてる車ですから(^^ゞ」などと言い訳しながら走っている私にとって、3.0Rの余裕ある加速感、走りはなんとも羨ましいものであった。そして静粛性や安心感のある走り。「いいなぁ、欲しいかも…」と言うのが正直な感想である。

毎度のことながら、MT派の私はAT車をドライブする時もチョコチョコとシフト操作をしてみるわけで…このスポーツシフトE-5ATは、ステアリングホイールにも+/−のスイッチが付いている。通常のDレンジのまま、このステアリングスイッチを操作すると、一時的に任意のギヤにシフトすることができ、ドライバーの操作が一定時間(数秒)無いと、通常のDレンジに自動復帰する嬉しい機構になっている。またシフトレバーをドライバー側に倒せば、スポーツモード(回転が高めの“美味しいところ”を多用する)になり、この時にはインパネに「何速に入っているか」が表示される。試乗しながら時々シフトレバーを倒し「いま何速かな?」と確認しながらドライブを愉しんだ。

スイッチ操作でシフトしてから実際にそのギヤになるには1秒程度かかるので、今日はあまりうまく走らせることはできなかった。このタイムラグは「何とかならないものか?」と思うかもしれないが、MTでも「シフト操作しよう」と思って→「アクセルをゆるめる/クラッチを切る」→「シフトチェンジする」→「回転を合わせつつクラッチをつなぐ」→「シフトチェンジ終了」の一連の動作には、通常1秒程度はかかっているはずで(ワインディング走行時や走り屋・プロはもっと速いだろうが)、一般にATにはシフト・ラグがあるので、これも慣れでしょう。またラグがあるお陰で、MTのように「1つ飛ばしのシフトチェンジ」も可能なわけで、使い慣れるとかなり愉しめるだろう。

新開発、SUBARUオリジナルの5AT。変速ショックもなく、実に気持ちの良いものであった。ただ、これは“燃費”に振ったミッションではなく、5速目を従来の4速と同程度のギヤ比とし、クロスレシオとした、いかにも SUBARU らしいと言えば SUBARU らしい、スポーティーなミッションではある。

前回の B4 2.0i の時にも感じたが、LEGACY のハンドルは重め( IMPREZA はかなり軽め)。特に低速での左折では、しっかりとした操舵が必要。でも(^_^)… IMPREZA STi みたいにメチャクチャ重いわけではないし、節度ある重さ・しっかり感と表現しておきましょうか。

もうひとつ、前回の B4 2.0i の時には後方視界がかなり狭く感じたものだが、今日はそうでもなかった。これも“慣れ”ということなのか、その日の体調、気分的なものなのか?

これだけ乗り心地がよく、エンジンも静かで十分すぎる出力があり、装備もよく、仕立てもいい。こんな車が285万円(車両本体)で手に入る(私には手が出ないが…)。ヨーロッパ・プレミアム・ブランドなんていらないんじゃない?500万も700万も出すのって、ブランドを買っているだけ? まぁ、ベンツもBMWも試乗さえしたことはないけどね。

今日はかなりの来客で賑わった。(私がいる間に)BMWのユーザーが3人も試乗に訪れたことは、大変興味深い事実であった。

 

私が試乗を終え戻ってくると、現行 SKYLINE 3.5 SEDAN (60歳前後、男性)がやってきて、B4 3.0R を試乗していった。私にはとても静かな車だったが、彼は「ロードノイズがチョットうるさいね」と感じたとのこと。彼の車は215/55R17、B4 3.0R は215/45R17(←え゛、そうだったんだぁ、と少し驚いた(^_^;))。NISSAN は「あまり偏平なタイヤは履かず、タイヤも含めてロードノイズも吸収していく」という設計思想らしく、そのへんの違いが NISSAN ユーザーの感想として出たらしい。なるほど、メーカーそれぞれにカラーがあるものだ。

今日はお土産に車(LEGACY B4 3.0R)のカタログ、ビデオなどの他、エンジンの冊子をいただいてきた。「縦置き、水平対向、6気筒…どこが、どう、すぐれているのか?」をまとめたもので、なかなか興味深い、面白い読み物であった。

 

水平対向6気筒の特長を簡単にまとめておこう。

●6気筒は理想の回転バランスであり、直列6気筒と水平対向6気筒では、シリンダ同士で振動と力をうち消し合い、理論的に振動が出ない(V型6気筒では斜めに力が発生するのでダメ)。

●直列6気筒では各気筒の爆発順序で力をバランスさせているのに対し、水平対向6気筒では水平方向に3気筒ずつが向かい合い、ダイレクトに力をうち消し合っている。

●水平対向6気筒は3気筒ずつ左右に振り分けているので、(単純に考えれば)エンジンが直列6気筒の半分の長さとなり、クランクシャフトも半分の長さとなる。 最も荷重が掛かる(強度が要求される)クランクシャフトの長さを半分にでき、しかもエンジンの中心に据えることができる水平対向6気筒は、強度・サイズ ・重量バランスの点で直列6気筒より有利。大きな強度を要求されるクランクシャフトを短くできるということは、すなわち“軽く作れる”ということで重量の点でも有利である。また、ピストンが対向する方向に力を出しているということは、一方向に力が発生する直列6気筒のクランクシャフトに比べて、強度を要求されない?(←理屈ではそうかな?)この点でも、軽くできるはず!?

●直列6気筒に比べてエンジンが短いということはボアを大きく取ることが可能で、ボアを大きくすることでバルブ面積も大きくすることができる。つまり吸排気の効率(能力)を高めることができる。つまり高性能エンジンに仕上げやすいのだ。

●そして水平対向のもっとも特徴的な点として、エンジンの背が低く、全長が短いことが挙げられる。つまり、重心の低いエンジンを車の低い位置に縦置きで積むことができ、このことがSUBARU車の安定した走りを生み出している。またエンジン、トランスミッションといった“重量物”を車の中心に近い位置に積めることが、「SUBARUの4WDは良く曲がる」という評判にもつながっている。

●エンジンを縦置きにレイアウトできるということは、クロスメンバーをフロント足回りにがっちりと通すことができ、こうして前軸を固めることで、特にハンドリングの安定感・しっかり感に効いてくる。これにより直進性も高まり、「長距離ドライブで疲れない車」となっているのだ。

●水平対向・縦置きのメリットとして、「パワートレーン全体としての重量バランスの良さ」も挙げられる。直列・縦置きの場合、左右のバランスはまずまずだがフロント・ヘビーで、エンジン自体の重心も高いところにある。V型(直四も)・横置きの場合、フロント・ヘビーの上、左右のバランスも悪くなってしまう。エンジン重心が高いことはV型も同じ。その点、水平対向・縦置きは、左右のバランスが良く、前後のバランスも理想に近い。エンジン自体の重心も低い。この水平対向エンジンこそが、SUBARUの走りの良さの源なのだ。

エンジンレイアウトごとの重量バランスは、ディーラーに置いてある簡単な模型で確認・理解することができる。ぜひ一度、見に行ってもらいたい。この理想的なパワートレーンこそが“SUBARU Symmetrical AWD”なのである。

 

実は今日、2.0 GT spec.B で、「McIntosh Sound System」も試聴させていただいたのだが、その感想は別にまとめることにしたいと思う。

(2003.09.22記)

 

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