T E S T  D R I V E

 

LEGACY  McIntosh  Sound  System 試聴


McIntosh Sound System (スバル カタログより)

2003/09/15 午後、天気 晴れ、試聴場所 東京スバル(停車状態)

2003/09/20 夜、天気 雨、試聴場所 国営昭和記念公園周辺(走行中)、東京スバル(停車状態)

 

ここでは、9/15 TOURING WAGON 2.0 GT spec.B で、そして 9/20 TOURING WAGON 3.0R で試聴した、『McIntosh Sound System』について書いていこうと思う。

実は私、今回フルモデルチェンジして発表になったLEGACYに搭載されているのを見るまで、McIntoshを知らなかった(PC の Macintosh なら知ってますけどね(^^ゞ)。1949年アメリカ・ニューヨーク州に生まれた会社で、ステレオ・パワーアンプの名機を次々と生み出してきた名門。1991年には、カーオーディオ開発に着手。1993年世界に先駆け日本でカーオーディオを発表。1998年にLEGACYに純正で搭載されるようになったのだそう。

ミュージシャンやオーディオ関係の仕事をしている人、オーディオマニアには、当然のことながら有名なブランドであり、その実力は高く評価されているはずで…こんな逸話を聞いた。先代のLEGACYの頃、スタジオ・ミュージシャンの方が『LEGACY McIntosh Sound System』の試聴に訪れた、LEGACY の試乗ではなく、ね。その方は試聴すると、特に何も、感想らしい感想も語らずに帰っていったそうだ。しばらく音沙汰がなかったが、ある日やってきて McIntosh 搭載の LEGACY を購入した。「LEGACYを買ったというより、McIntoshを買ったという印象」だったという。

こんな話を聞かされるとMcIntoshの音を聴いてみたくなる。セールスの「じゃ、チョット行ってみますか?」の一言で、TOURING WAGON 2.0GT spec.B で試聴させていただいたm(_ _)m 音源は普段私が IMPREZA に積んでいるMD(AOR Selection 2枚、古内東子Selection 2枚)を使った。

助手席に乗り込み、いきなりビックリ。ドアミラー付け根から足元まで、ドアに4つ縦に並んだスピーカー。片側2つ、3つという車は普通に存在するが、4つとは…。そしてこの片側4本のスピーカーが、ほぼ垂直に並んでいるのがミソ。 音の定位感などに効いてくる。後のドアには、(同軸で)2つのスピーカー。最後部にサブウーファーが1本。4×2+2×2+1、合計13本ものスピーカーを搭載しているのだ!(タイトル写真参照)。

まぁ、音を聴いてビックリだね。とても厚みのある、情報量の多い、ひとつひとつの音がキラキラ輝いて目の前に見えるよう…どう表現するのが最も適当で、うまく伝わるのだろう? とにかく「このMDに、これだけの音が入っていたんだ」と驚いた。まるで別のMDを聴いているようで…MDって12cmCD(80min)に入っているものを、6.5cm程度に“圧縮”して入れてしまうわけで、当然音は悪い。そのMDに、これだけの、目が覚めるような音が入っていたのか! 「どうせ素人の耳じゃ、違いなんか判らないでしょ!?」と正直なめてかかっていたのだが、誰が聴いてもその違いは明らかである!!

ヴォーカルは目の前で歌っているかのようであり、それぞれの楽器の音も、それこそ音の粒が見えるよう。いちばん感激したのは『We're All Alone (Unplugged) / Boz Scaggs』のBozの円熟した低音のヴォーカルが素敵に響いたことと、ウッドベース(コントラバス)の弦が振動している様までが見えるような感じだったこと。

古内東子は自身でバックコーラスもやった曲も多く、幾つも重ねられた古内東子の声はかなり気持ちがいいのだが(山下達郎もそうですね)、そうした部分がさらに気持ち良く再生されて、ずーっと聴いていたいと思った。

普通カーオーディオといえばなかなかいい音では鳴らず、音量を上げればタダうるさいだけになり、スピーカーが安物なら音が歪んでくる。しかし、McIntoshは違う!小さな音でも豊かに響き、音量を上げていっても、タダうるさいだけのイヤな音にはならない。どこまでも耳に心地よい、「ずーっと聴いていたい音」であった。

 

9/20夜、TOURING WAGON 3.0Rの試乗は、自分で持ち込んだCD『虹伝説/高中正義』と『Precious / Cubic U(宇多田ヒカル) 』を聴きながら行った。

水色のロゴに、赤のスイッチ類…夜間照明が点灯したMcIntoshはとてもいい雰囲気で、ナイトドライブを素敵に演出してくれる。LEGACYが自分の車ではなく試乗車であることと、助手席が担当セールス(♂)であることが残念だったなぁ…(^_^;)

『虹伝説/高中正義』、セールスと二人「やっぱ高中の音だね」と久々に聴く高中のギタープレーを愉しんだ。このアルバムは、オーケストラをバックに高中がプレーしているが、彼のエレキギターはもちろんのこと、オーケストラのストリングスも豊かに響き、音に包まれる感じが大変心地よかった。

今日は私の他にも数名、McIntoshの試聴に誘ったとのことだが、何故か皆、インストゥルメンタルのアルバムを持参したそうだ。私も「高中正義」を持ってきたわけで、何となくその気持ちはわかる。そんな訳で、次に試聴した『Precious / Cubic U』が本日初のヴォーカルアルバムとなったそうだ。

前回のレポートにも書いたが、低音が豊かに響く McIntosh には R&B がよく似合う。この宇多田ヒカルのアルバムは 、彼女が(日本でいう)中学生くらいの時にアメリカで発表したアルバム。もちろん全曲英語のヴォーカルである。良いアレンジャー、ミュージシャン、エンジニア、プロデューサーに恵まれたのだろう。大変素晴らしいアルバムである。このアルバムが持つ音の厚み、低音の豊かさ、Teenとは思えぬ宇多田のヴォーカル…McIntoshは余すところなく再生してくれた。やはりバスドラムやベースの音(すべて打ち込みかな?、多分…)がい〜い感じて…もう涙ものです(T_T)b

少々余談になるがこの試聴を受けて、久々に『FirSt Love/宇多田ヒカル』を自宅で聴いてみた。やはり『Automatic』は名曲だ、あらためてそう思った。当時はそれほどでもなかったが、McIntosh に触発された耳でアレンジ(音の作り込み方)に注意して聴いてみると…やはりスゴイよ!ぜひ今度 McIntosh で再生してみたいものだ。

言うまでもないことだが、McIntosh を気持ち良く愉しめたことは 3.0R が搭載する 3.0 FLAT 6 (EZ30)の静粛性、振動の少なさ、そして車全体としての完成度の高さによるところも大きいことを付け加えておこう。

 

今回試乗した TOURING WAGON 3.0R は私にとって初の標準ナビ付き試乗車。ビルトインDVDナビ + McIntosh だったわけだが、純正・標準装備のナビだと、ナビがインフォメーションを喋る時、オーディオのボリュームを自動で絞ってくれるのだ。 これは標準ならではの機能。私の IMPREZA は後付のナビであるし、LEGACY と比べてしまうと走行中の室内もうるさい。そこで KENWOOD K's MASTER で MD でも聴きながらの高速道路ともなると、ナビの音声を大きめにしておかなければインフォメーションを聞き逃すこともしばしば。そうしたことがないのは、純正ならでは。ただし…VICS情報が頻繁に入る状況だと「音楽聴いてるんだから、邪魔しないでよ!」とナビに文句言いたくなることもあるとか(^_^;)

 

どう逆立ちしても、自宅のオーディオ・システムでは LEGACY + McIntosh に太刀打ちできそうもないと思ったが、それもそのはず。開発陣が狙ったのはホームオーディオのクオリティであり、他メーカーのカーオーディオをベンチマークすることはしなかったという。高いところに目標を設定した開発と、オーディオと内装を一緒に“詰めていける”というカーオーディオならではの利点を、最大限に生かしたのだろう。

今回の LEGACY McIntosh Sound System のこだわりの中にひとつ面白いと思ったのは、3WAY スピーカーの音域の配分(ネットワーク装置)にデジタル(アンプ)を用いず、昔ながらのコンデンサーのみによる音域の配分を行ったこと。この非常にローテクとも思える手法を用いることにより(パワーアンプもローテクなのだそうだ)、透明感のあるサウンド作りを実現したのだそうだ。目指すところは原音再生ではあっても、デジタルにはない、余韻・温もりといったものを再現したという。そうした音作りが、音の広がり、音に包まれる感じ、音の透明感…といった形を持ってユーザーの前に提供されたと言えるだろう。

 

私のホームオーディオ・システムは ONKYO A-V801PRO(AVアンプ) + BOSE AM-10 (スピーカー・システム) であり、少々時代遅れの感はあるが、その性能に不足はないはずである。が、なんと言っても普通の部屋。窓も壁も天井もあり、ドアもあり、家具もある。LEGACY + McIntosh は専用設計であり、ドアには当然デッドニングも施してあり、スピーカーマウントの共振対策も万全。「車にそこまで必要かぁ?」という意見もあろうが、McIntosh Sound System、目にも耳にも心地よい、ぜひ欲しいものである。

 

プラス15万円で、このサウンドが手に入る。かなりお買い得と言えるだろう。

(2003.10.12記)

 

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