T E S T  D R I V E

 

S U B A R U   R 2   D e b u t !


SUBARU R2 S (レディシュモーヴ・オパール)

先日開催された「第37回東京モーターショー」に参考出品された、SUBARU の新しい軽自動車『R2』。既に販売店には簡単なカタログ(モーターショーで配られたもの?)が置いてあったのだが、正式発表・発売を翌日に控えた12/07、またまた担当のご厚意で 、一足先に実車を見せて頂けることとなった。

SUBARU R2』ある年代から上の方には懐かしい、またスバリストならば知っているであろう名前…『スバル360(てんとうむし)』に続いて、昭和44年夏に発表された名軽自動車『スバルR-2』の名が復活したのだ! しかし、当時の軽自動車はRRばかりだったなぁ…『スズキ フロンテ』、『マツダ キャロル』どれも、個性的な車達であった。

 

駐車場の奥に案内されると、かなり個性的な風貌の車が2台置かれていた。1台は明るい小豆色で、DOHCスーパーチャージド・エンジン搭載のモデル。もう1台は銀色のSOHC NAエンジン搭載のモデル。

外観の第一印象は…ドイツの『smart』を少し大きくした感じ。このR2、smart や PEUGEOT 206CC のように、車の全長に対して大変ホイールベースが長く、オーバーハングは極わずか。どの軽自動車を見ても、だいたいオーバーハングはほとんどないが、あらためて「タイヤが端っこに付いてるなぁ」と思った。

最近この手のデザインの車は結構見かけるのだが、鼻(ボンネット)が「エンジンは何処に入っているの?」と聞きたくなるくらい短く、しかしよく見てみると車の先端から乗員までの距離は意外と稼いである。例えば『TOYOTA ESTIMA』、『MITSUBISHI COLT』など。R2も似た印象で、またこれらの車と同様に 、大きく傾斜したAピラーとドアミラーの間に三角窓を備える。そしてドアミラーの形状がまた変わっており、上ユニークな形状のドアミラー端は上に凸の緩いカーブを描くが、全体としては逆三角形のような形をしている。この形状でも意外と視界に問題はないらしいが、試乗する機会があったら外側下方の視野についてチェックしてみたい。

顔つきは“ファニー”という表現が当たっているだろうか。特徴的な形状のドアミラーが“耳”のように見え、少々ブタっ鼻(失礼(^^ゞ)のようなグリルと相まって“子豚ちゃん”あるいは“パグor シーズー”それとも“カバの子供?”に見えなくもない。この個性的な顔が受けるかチョット心配だが、所有してしまえば結構愛着が湧くかもしれない。そんな顔のR2だが、目(ヘッドライト)はよく見れば、LEGACYと同じリングの縁取りの付いたHIDプロジェクターランプ(メーカーオプション)ではないか! なかなか侮れない車である。

SUBARU R2 i (シャイニーシルバー・メタリック)車の後方に回り目に付いたのはタイヤアーチのR。特に真後ろや斜め後ろから見ると、横方向や後への張り出し具合が、とても斬新な印象を受けた。リヤのランプ周りはラウンドとシャープなラインをうまく組み合わせてあり、この部分のデザインは結構気に入った。

リヤゲートにはかなり大きめの“スバルオーナメント(六連星スバルマーク)”が付くが、これがリヤゲートのオープナーハンドルになっている。ラウンドとシャープなラインのテールランプこれはなかなか「スバルさんやりましたねー(^_^)」と思った。私はスバルのエンブレムは好きだし、大きめのオーナメントを取り付けたというところに スバル自身のこのエンブレムに対する思い入れのようなものを感じる。R2のボディデザインは PLEO や MOVE、WAGON R といった“箱形”のイメージではないが、リヤゲートを開けて覗き込んだラゲージルームは「意外と十分な広さがありそう」である。必要ならばリアシートを倒せばさらに大きな物でも入るので、小型のセダンには載らないような大きな箱でも積めるであろう。 軽自動車枠が大きくなったことで、その枠をいっぱいに使った車を各社発表してきたが、このR2は少し違った視点で作ったということのようだ。全高はPLEOより若干低くなっている。それでも IMPREZA 同様、私でもルーフの掃除は大変そうだ。

まず運転席ではなく、リアシートに座ってみた。軽自動車であるので、確かに狭い。しかし、身長174cmの私でもぎりぎり頭がつかえることはなく、運転席のシートバックと膝の間にも多少の余裕があった。驚いたことに、R2のリアシートは「リクライニングする」のである。私のIMP.(GG3B)はリクライニングしない。後発の強み、新しい車はどんどん良くなっている。

リアシートに座っての眺めは、少々ウエストライン(窓の下端)が高すぎるように思えたが、「ほどよい“包まれ感”」を狙ったのだそうだ。これだけガラスの面積を小さくした(鉄板の面積を広く取った)ことは、恐らく側突の際の安全性も考慮したのではないだろうか?

続いて運転席へ。私も足は長くもなく短くもない方だと思うが、シートに腰掛け、両足を揃えたままで足の裏を地面に付けることはチョット難しい。座面と地面の距離は、FORESTER などとあまり変わらない。小柄な女性が、タイトスカートやミニスカートで乗り降りするには注意が必要かもしれない。 この座面高は乗り降りのしやすさを考慮したらしく、なるほど地面に這いつくばるような低いシートから「よっこらしょ」と立ち上がるのは大変である。お尻を少し外にずらせば、自然に立ち上がれるセッティングになっているようだ。

R2 S アイボリーの内装視界は悪くない。フロント ガラスがかなり寝ており、ガラスの先端までが遠いので、駐車中は“広大な”ダッシュボード上が良いテーブルになるだろう。ただ、まったくボンネットが見えないので、車の先端を把握するには慣れが必要。天井に頭をすりつけるように伸び上がっても、ボンネットは見えなかった。これは、このようなデザインの軽自動車には、まま見られることではある。

メーターパネルはこぢんまりしていて、大変かわいい。3グレードのうち、上の2つ(S、R)には、タコメーターも付いている。エンジン停止状態では指針が見えないが、エンジンを始動すると、下からヒョッコリ針が出てくる。IMP. STi や LEGACY のメーターでも遊び心を感じたが、R2でもチョット遊んでみたようだ。シフトノブは、フロアではなくセンターコンソールに取り付く今どきのデザイン。この感じだとセンターメーターになりそうだが、メーターはドライバーの正面に。センターメーターが嫌いな私にとっては「スバルさん、ありがとう」といったところ。このSグレードのトランスミッションは「7速スポーツシフトi-CVT」で無段変速のスポーツシフト。Dレンジで左に倒すと、+/−で任意のギヤにホールドすることも可能。またDレンジのまま車任せで走っても、状況に応じてシフトダウンをするなど賢いATである。無段変速(CVT)、私は運転したことがないが、ぜひ今度どんなものか体験してみたいものである。

各種装備は至れり尽くせり。エアコンはオート。CD+MD&AM/FMカーオーディオ。リモコンドアロックはルームランプ・オフディレイ付き。集中ドアロックのボタンも備わり、ドアミラーの格納も電動。サンバイザーはバネ仕掛けでしっかり格納されるし、バニティミラーは運転席、助手席とも備わる。そして通常ミラー脇 (バイザー)に取り付けられている照明はルーフに設置されており、光が正面から目に飛び込まないので、まぶしくない。 この照明の設置位置に関しては、ユーザーの声を聞きいろいろ試行錯誤したのだろう。灰皿とシガーライターは未装備。煙草が嫌いな私には、嬉しい傾向である。 小豆色の展示車は、明るいアイボリーの内装。LEGACYのレザーセレクションのような綺麗な色である。材質は樹脂であるが、なかなか良くできていた。デザイン的にも女性受けしそうな、丸みのある綺麗な造りである。

このSグレードには、CD+MD&AM/FMカーステレオが標準装備される。普段自分の車に積んでいるCD-RとMDを使って試聴してみた。CDはCD-R/RW対応(CD TEXT非対応)、MDはMDLP対応(MD TEXT対応、半角のみ)。このカーステレオがなかなかいい音で鳴るので、まいってしまった。私の IMPREZA Limited の KENWOOD K's MASTER(6スピーカー)より低音も出ているようだし…詰まる所「空間(室内)が狭いから」ということらしいのだが。2本のスピーカーがダッシュボードに設置され、フロントガラスに反射した音がダイレクトに耳に飛び込んでくるので、こんなに迫力のある音が再生されるのだろう。フロント2スピーカーだけでこれだけの音を聴かせるR2に、ちょっと嫉妬してしまった。オプションで4スピーカーにしたら後方から包まれる感じも出て、さらに気持ち良く鳴ってくれそうだ。

とりあえず2台の展示車を見せていただいたわけだが、このR2には明るい色が似合うような気がする。“ブタ”や“カバ”に見えると書いたが、それは小豆色のボディに感じたことであって、銀色の方はそれなりにスマートな印象を持った。カタログカラーは小豆色(レディシュモーヴ・オパール)であり、ホームページも思いっきり小豆色であるが、もし私が買うならば11色ある中から「空」、「真珠」、「雪白」、「純銀」あたりを選ぶであろう。

R2は 2WD(FF) と AWD、5MT と i-CVT(AT) を選ぶことができ、スバルらしい。またエンジンはSOHC と DOHC NA で U-LEV(★★★) を取得。車全体でリサイクルを考えた設計とし、生産における環境負荷低減も考慮されているようだ。それと TRANS CARE 仕様が全グレードに用意されている点も評価できるだろう。

最後にひとつ付け加えると…R2はかなり軽量に仕上がっている。PLEO RS Limited (AWD/i-CVT)が940kg。R2 S (AWD/i-CVT)が870kg。R2の方が若干外形寸法は小さいのだろうが、1tを切る車重ながら70kgの軽量化は驚きである。LEGACYでの軽量化技術が、R2にも生かされたということのようである。

軽自動車市場もかなり熾烈な競争となっている様子。新しいR2がどこまで健闘するのか、スバリストのひとりとして見守ってみたいと思う。

(2003.12.11記)

 

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